正しガムテープの使



何よりも、誰よりも尊敬しているんだ。
この世がなんてくだらないのだろうと自覚させてくださったのもあの方のおかげ!
こんなつまらない世界から僕を救ってくださるのはあのお方しかいないのだ。
それはもう自分の中の決定事項で、だからこそそれは変えようのない真実であり、真理だった。



「…ハオ様の手を煩わせるな、」
仏頂面でオーバーソウルを構えながら、ニクロムはギロリと目の前の葉を睨む。
顔や雰囲気こそあのお方―ハオ様―に似てはいるものの、やはり根本的に違う、違うのだ。

一方オーバーソウルをつきつけられながらも葉は苦笑しながらニクロムを見つめているだけで、自身がオーバーソウルを纏う気配は微塵も感じられない。
馬鹿にされているような気がしてイライラがつのる。
僕が格下だとでも?ハオ様の命令無しに葉様には手出しできないとでも?
だとしたらとんだ腑抜けだ。


「ハオ様に力を貸す気になったか?」

「…貸すつもりなんてないさ。」
困ったように方を竦めながら葉が呟く。

「……何度も言わせるな。ハオ様を煩わせるようなことは、」

「………すまんが、何を言われようと、」

「―っ!ふざけるな…!」

オーバーソウルをふりあげ葉へ振りおろす。
それでも葉はニクロムをまっすぐに見つめて、動く気配もオーバーソウルを纏う気配も無い。
ニクロムは少なからずその葉の態度に動揺して思わず攻撃をぴたりと止めてしまった。
そして止めてしまってから、あぁ、しまったと思う。
何をやっているのだ、自分は。いったいなにをしにここへ来たと思ってるのだ。
ただ単にこんなたいくつな会話をしにきたわけではない。ましてや世間話なんてして帰るなんて、そんなの、ただのまぬけだ。


「…お、前、」
ニクロムの口から出た言葉はかろうじでその言葉、というか単語だった。

葉はそんなニクロムを見ながらへにゃりと笑って、やっぱり止めてくれた、などとのんきに呟く。
やっぱりってなんだ。もし止めなかったらお前確実に致命傷もいいとこだったんだぞ。



ニクロムはなんだか肩の力が抜けていくのを感じた。
どうにも、葉といると、


「…調子が狂う」

「はは、よく言われる」

本人は褒め言葉と受け取っているのかどうなのか。
あいかわらずへにゃりと笑ったままだ。

なんだか、この葉という人物は独特の雰囲気を持っている。
完全な存在のようで、どこか不完全。
そこがハオ様と似ているといえば似ているのかもしれない。
とらえどころのない、何を考えているのかさっぱりわからない、そんな人物。


「…麻倉、葉、」

「葉でいいさ、なぁニクロム」

にこりと笑いかけられて、どうすればいいのかよくわからなかった。
ハオ様とはまた違う笑顔。
どうしたら、こんな綺麗に、





じゃり、と地面を踏み締めて距離を詰める。
葉はそれに動じることなくニクロムを見つめている。
ニクロムも視線をそらさず、また一歩距離を詰めた。


自分がこれから何をしようとしているのか、何を言おうとしているのか。
なんとなくだけれど予想がついて、本当になにをしているんだかと自身を罵倒したくなる気持ちに駆られた。


だって、そんな、まさか



「麻倉葉、僕はお前が――」








あぁ、なんてことだ。


自身のくちから出た言葉も、

頬を少し染めながら、笑顔でうなづく目の前の人物の態度も、




まったくもって予想外だ!!!!



【正しいガムテープの使い方】


どうすればいい?
どうしたらいい??

(だって嬉しいんだ、)





DISCROWNの鱗さま宅での夏休みフリリク企画より



ふぉおぉおおお!!
に、にくにく肉葉!!
とってもマイナーなリクエストがこんな素敵な形で帰ってクルトワワ!!
結局両想いなのね!
この青い春具合がたんまらなく好きです!!
ほんまに良いもんもらいました!
うほーい!



背景素材⇒MICROBIZ